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中国政府奨学金は、中国留学に関する奨学金として最も規模が大きく人気の奨学金です。しかしそれに伴って選考が厳しかったり、提出書類の難易度が高かったりします。
この記事では、JASSO協力中国政府奨学金について、現役奨学生である中国留学ライフメンバーが申請のポイント・受験体験談などをわかりやすく紹介します。
中国政府奨学金とは
中国政府奨学金は、中国政府が運営する給付型奨学金で、世界各国の中国留学する学生を支援しています。 中国各大学での選考・個人出願に加え、日本では受付窓口が主に以下の2箇所あります。
各種奨学金の比較表
奨学金名 | 対象 | 返還有無 | 支給生活費 |
中国政府奨学金 | JASSO:学部生/普通進修生/高級進修生/修士/博士 日中友好協会: 普通進修生/高級進修生 | 無 | 2,500元/月~ |
市政府奨学金 | 学部生/修士/博士 | 無 | 1,100元/月~ |
孔子学院奨学金 | 進修生/学部生/修士/博士/他 | 無 | 2,500元/月 |
百賢(AFLSP) | 北京大学、香港科技大学、上海交通大学、一橋大学、京都大学、早稲田大学 | 無 | 15万円/月 |
トビタテ留学JAPAN | 全般 | 無 | 6万円/月 |
山口育成奨学金 | 正規留学 | 有 | 5万円/月 |
村田海外留学奨学金 | 正規留学/25歳以下 | 無 | 1.25万円/月 |
ヤマハ音楽支援制度 | 音楽系の大学 | 無 | 20万円/月 |
伊藤国際教育交流団体 | 修士 | 無 | 1,500~2,000ドル/月 |
中国政府奨学金とは?
中国政府奨学金とは、 中国留学を志す学生を対象に中国政府から支給される給付型の奨学金(返さなくて良い奨学金)です。日本では日本学生支援機構(JASSO)と(公社)日中友好協会が募集・選考に協力しています。
中国政府奨学金に応募できるのは正規留学生や語学生・普通進修生などさまざまです。しかしそれぞれの留学タイプによって受け取れる金額や受給期間に差があります。
【関連記事】普通進修生とは?社会人にもおすすめの中国留学を知ろう!
政府奨学金の受給システム
基本的には月ごとの振り込みになります。
オンライン留学の場合は、中国へ渡航した後に振り込みが再開されます。
政府奨学金の特徴
中国留学に対する奨学金はさまざまありますが、その中でも最も種類が多く、最も規模の大きなものが中国政府奨学金です。中国政府奨学金は政府主導の奨学金であるため、受給可能者が約130人いること、コロナ隔離ホテル費用を除き個人で払うべき費用は渡航費だけであるという優遇っぷりです。さらに保険料、寮費、学費、生活費は全て奨学金が負担してくれます。
中国政府奨学金の申請にはたくさんの準備が必要です。中国政府奨学金は準備がすごく大変なので、なるべく締切ギリギリは避け、余裕を持って準備するようにしましょう。
奨学金申請に関してのお悩みは「よくある質問」を参考にしていただくのがおすすめです。
JASSO協力中国政府奨学金への申請の流れ
それでは、JASSO協力中国政府奨学金の申請の流れを確認しましょう。細かい内容は年によって変更されることがありますので、公式サイトとあわせてご確認ください。
自分の考えをまとめ、先生/教授、親や合格経験のある先輩にたくさん相談しましょう。
CSC(China Scholarship Council)という中国国家留学基金管理委員会の公式ホームページへ登録します。ここまでに中国国内で使用可能なメールアドレスを作っておきましょう。
指定された書類送付先へ郵送で出願書類をまとめて送ります。
合格発表は、2022年度は公式サイトに掲載されました。以前は郵送によって合否結果が届けられていました。
指定された病院で受診します。結果資料を受け取れるのに2~3週間ほどかかるので、受け取ったのち資料をCSCサイトにアップロードします。
JASSO協力中国政府奨学金公式サイトに無犯罪経歴確約書のテンプレートがあるので、印刷してサインと日付を記入します。
希望専攻別に分かれて4~5人のグループ面接方式です。面接番号別に順番に面接官の質問に答えていきます。本科では全員同じ質問に答える形でしたが、修士博士課程ではそれぞれの研究内容に沿った質問をされる可能性があります。
あとは合格を待つのみです。合格発表は、JASSOからの郵送もしくは公式サイト上で発表されます。合格すると中国政府に候補者として推薦されます。
最終合否結果と行き先の大学が決定します。ここで希望の大学全てで審査落ちしてしまうと、仮に3月に合格通知を受け取っていても不合格扱いとなってしまいます。希望する大学は大都市だけでなく、中国の各都市の特徴など調べて近郊都市を織り混ぜるなどバランスを保ちましょう。
応募できるかの条件検討
中国政府奨学金の応募には以下の条件があります。こちらはJASSO公式ホームページより引用しています。
- 日本国籍を有する
- 心身ともに健康である
- 年齢制限を満たす
- 申請に必要な学歴を有する
- 適切な語学力を有する
なお、細かい規定は下記に記します。
a. 本 科 生: 25歳以下
b. 普通進修生: 45歳以下
c. 碩士研究生: 35歳以下
d. 博士研究生: 40歳以下
e. 高級進修生: 50歳以下
a. 本 科 生:高等学校卒業以上の者
b. 普通進修生:高等学校卒業以上の者
c. 碩士研究生:学士号以上の学位取得者
d. 博士研究生:修士号以上の学位取得者
e. 高級進修生:修士号以上の学位取得者または准教授以上の教職に就く者
(※卒業・取得予定者を含む。)
授業が中国語で行われる専攻では本科生、普通進修生(中国語専攻を除く)または高級進修生の場合、HSK試験三級180点以上の成績証明書、碩士研究生または博士研究生の場合、HSK試験四級180点以上の成績証明書の提出が原則必要。その他中国の高校・大学を卒業した学生については特例措置あり。
CSC電子申請システムへの登録
CSC電子申請システムへ登録します。
学生注册 (create an account) を選択し、記入事項を穴埋めしていきます。メールアドレスは中国国内で利用可能なメールアドレスを使用します。Gmailアドレスは中国では使えないため、このタイミングで新しくメールアドレスを作り直すことが多いです。有名なのはQQメール・163メールなどがあります。
書類の準備
・卒業証明書または卒業見込み証明書(英/中)
・成績証明書(英/中)
・学習計画書(和/英/中)
・外国人体格検査表(英/中)
・無犯罪経歴確約書(英/中)
・推薦状(大学によって異なる)
・語学能力証明書
・パスポートのコピー
・和文出願書
学部生出願者でも北京大学や清華大学などの一部の大学では大学教授2名または、高校の校長先生と担任の先生の推薦状が必要です。
書類審査合格後には「外国人体格検査表」と「無犯罪経歴確約書」も必要になるので、書類審査合否発表前に前もって準備しておくのがおすすめです。ただし検査費用がかかるので個人の判断にお任せします。
推薦者の準備
推薦状を書いてもらう場合、高校生の方は高校在学時の担任の先生と校長先生の推薦状が必要になります。
大学生以上の方は在籍している(していた)大学の教授又は准教授のうち2名の推薦状が必要です。
学習計画書の書き方
政府奨学金は中国留学の中で最も規模の大きな奨学金のため、すでに多くの先輩がブログを書かれています。
学習計画書を書く際は独りよがりの文にならず、「なぜ奨学金が必要なのか」、「自分がやりたいことは何なのか」を明確に書くのがおすすめです。
しかし中国政府奨学金の合格基準はオープンになっておらず、実際のところ、学習計画書をどのように書けばいいのか完璧に理解している人はいないと言って良いでしょう。一部の人は人脈を使って学習計画書の添削を受けていますが、現状は書き方に迷う人が多い状態です。
このように一部の人だけに閉ざされた情報をよりオープンにするために中国留学ライフという学生団体が立ち上がりました。私たちはより多くの人に中国留学という可能性を知ってもらうため、中国政府奨学金の志望理由書アドバイス、お悩み相談のオンラインイベントなどをボランティアで行なっております。中国政府奨学金などに合格経験のある先輩も所属していますので、お気軽にご連絡ください。
面接対策
中国政府奨学金の面接形式は以下のとおりです。
・2020年までは対面での集団面接(4~5人)
・2020年以降はオンラインでの集団面接
・面接時間は合計20~30分
中国政府奨学金の面接対策では、下記の対策をすることがおすすめです。
- 自己紹介(1分/3分のテンプレを用意)
- 〇〇大学を志望する理由
- その大学で志望する学科
- 何を勉強したいのか
- その分野に興味を持ったきっかけ
- なぜ中国なのか
中国政府奨学金の面接では、中国語指定の質問をされることがあります。この問題は各面接によってランダムなので対策は難しいです。
中国語で答える場合には、短い文で明確な意見を述べることを意識しましょう。
中国政府奨学金の体験談
これまでに中国政府奨学金を受験した方による体験談を紹介します。中国政府奨学金は倍率が高いので、合格する人もいれば、不合格になる人もいます。
ここでは合格・不合格の両方の体験談を紹介しますので、ぜひ先輩方の経験をご自分の受験に活かしてくださいね。
合格体験談
まずは合格体験談として、この記事を書いている僕の体験談を紹介します。結論から言うとかなり大変でした。中国政府奨学金の募集要項と比較して、実際の審査基準はとても高く感じました。
僕は純日本人で、応募段階ではHSK4級を所持していました。自分一人で出願する経験もなかったので書類準備にとても手こずり、さらに自分の中国語レベルでは面接にも対応できるのか不安でした。
そんな僕からみなさんへ送るのは、次の3つのアドバイスです。
最新情報は常にチェックしよう
政府奨学金の申請の流れは過去とほとんど同じことが多いですが、募集締め切りや応募方法など、細かい点が少しずつ変更されます。これらの情報は自分で公式サイトをチェックするしかありません。重要なお知らせは赤色で表示してくれていますので、見落としがないように入念にチェックしましょう。
TwitterなどSNSを活用
中国政府奨学金の申請のコツは、とにかく情報を集めることです。書類審査と面接への準備をきちんと行うだけではなく、必要書類を締切日までに正確に準備できるかどうかも重要なポイントです。中にはTwitterアカウントを作って同じ受験生と連絡を取ったり、可能な場合は知人に添削してもらっている人もいました。
周囲の反対に負けない強い気持ちを持つ
中国留学は、周囲の理解を得るのが大変かもしれません。周囲の協力が得られず、自分の将来に不安を持ってしまう人は多いです。自分の選択はこれで本当に良いのかと悩んでしまうことでしょう。
そんな時は一人で塞ぎ込まず、誰かに相談してみましょう。SNSで知り合った留学希望者でもいいし、先輩もしくは私たちでも大丈夫です。中国留学を実際に経験した人のアドバイスはきっと、あなたの将来の選択をよりよいものにしてくれるでしょう。
政府奨学金のおすすめブログ
中国政府奨学金のおすすめブログ・サイトは下記の通りです。
びんさんのnote
清華大学へ大学院留学されているびんさん(@xiaobing62)のnoteです。清華大学という中国トップの大学へ合格するまでのストーリーや、オンライン留学への葛藤など、リアルな留学生の声を聞くことができます。
>> びんさんのnote
MBA in China
北京市の対外経済貿易大学へMBA留学しているMamiriさんのブログです。貴重なMBA留学についての情報が見られるだけでなく、中国政府奨学金についても詳しい内容が書かれています。
>> MBA in China
fuminさんのnote
2022年9月より中国でMBA留学をされるfuminさん(@f_studychina)のnoteです。一度社会人を経験し、そこから中国留学へ踏み切った経歴を持っています。noteでは中国政府奨学金について詳しく書かれているほか、受験サポートも行われています。
>> fuminさんのnote
唐さんのnote
普通進修生として清華大学への留学経験のある唐さん(@parlejaponais)のブログです。奨学金の学習計画書を書くコツだけでなく、奨学金へ申し込む時に必要なマインドセットについても言及されており、非常にためになるnoteです。また、唐さんはご自身のYouTubeチャンネルを開設されており、中国語の発音について詳しく学べます。
>> 唐さんのnote
中国留学のおすすめブログ・サイトまとめ中国政府奨学金に関してよくある質問
- 予科の期間中も中国政府奨学金は受給できるのでしょうか?
- 本科生の学業期間が、「専攻の学習4〜5年/予科教育または語学研修2年まで、総給費期間4〜7年」と公式HPに掲載されているので、予科期間も奨学金は受給できると思います。
ですが、予科教育を受ける大学の選定、JASOO側がどのような判断基準から予科教育を受けさせてくれるかは要項に掲載されていないため、直接問い合わせすることをおすすめします!詳しくはこちらにおすすめした先輩方の体験談もご覧ください。
- 中国政府奨学金は大学入学以降でも申請できますか?
- 入学後も申請可能です。(2021年現在)
実際に以下のような事例がございます。
・入学1年目12月に初申請→合格し2年目から受給
・入学前に出願も不合格→入学1年目に再チャレンジ→合格
・入学3年目で申請し合格
JASSO協力中国政府奨学金への申請の流れで紹介したのと同じ手順を踏みます。
その他、中国政府奨学金についての質問は、「奨学金に関してよくある質問」の記事をご覧ください。
よくある質問ー奨学金JASSO協力中国政府奨学金のまとめ
この記事では、中国政府奨学金について申請の方法から受験に関する体験談などをまとめました。
中国政府奨学金は中国留学に関する奨学金の中で最も規模が大きく、奨学金をもらうことができれば中国留学の金銭的負担を大きく減らすことができます。
その代わり申請書類の準備が大変だったり面接があったりと超えなければいけない壁は多いですが、その壁の先にはきっと明るい未来が待っています。
みなさんが中国政府奨学金の奨学生となれることを心より応援しております。
kennyさん、記事興味深く読みました!
私も来年度からの中国正規留学を考えています。kennyさんのように中国政府奨学金の支給を希望しているのですが、ちなみにkennyさんは日本で大学共通テストは受けられましたか?本科留学は高校卒業証明書や成績証明書のみ必要なのでしょうか?またその他、TOEFLや検定等は提出されましたか?
突然たくさんの質問を聞いてしまってすいません(>_<)
これから申請の準備を始めたいと思っているので、何か質問があった時に聞ける方がいると心強いです^ – ^ 返信待ってます!
あみりんさん
コメントありがとあございます!
①大学共通テスト – 受けていません。高校2年時に奨学金の存在を知り、高校卒業時に中国語がまだまだでしたので、奨学金合格だけを目指し卒業後1年間中国に旅行に行きつつ中国語を勉強しました!
②卒業&成績証明書 – はい、基本的に在学校に依頼するのはこの2点だけです。その他個人で和文出願書、学術計画書、HSK成績のコピー、大学によっては推薦書などを用意する必要があります。
③その他検定 – 受けていません。正直受けておくべきでした。出願当時の中国語力も足りなかったので、第一希望の大学への合格は実現できませんでしたが、もし清華大学や北京大学、トップレベルの大学が第一希望でしたら、TOEFLやIELTSなどのその他検定の成績表もあるとなお良いと思います^ ^
時間はあっという間に過ぎてしまうので、早くからの情報収集、準備をおすすめします!ぼくは諸々の受験が終わってから知りましたが、Twitterでは中国留学について情報発信されてる方々がなかなか多いです。既にご活用されていましたら失礼いたしました。
あみりんさんの希望に沿う結果になること、中国留学ライフのメンバー一同願いっております!また何か分からないこと、聞きたいことがあればいつでもご連絡ください^ ^ 応援しています!✊🏾💪🏾
kennyさん
返信ありがとうございます!
twitterなどで情報収集してみます・・・!
私の中国語力はまだまだなので、今年の秋に上海外国語大学の語学プログラムに半年間参加しようと考えています。
kennyさんのメッセージでとても励まされました。
これからも応援しています^^
ぼくの知らないプログラムや勉強会、交流会がたくさんあると思うので様々なものに参加して中国語力アップ目指しお互い頑張りましょう^ ^
上海外国語大学の語学プログラムいいですね!ぼくは南京大学の短期中国語プログラムに参加したことがありますが、先生も助手の大学院生も優しく、友達もできたためとても面白かった記憶があります。
東京ですが池袋の北京語言大学分校やFacebook, Peatix, walkerplus, 日本の大学ウェブサイトの公開講座などで中国キーワードを調べてみるのもおすすめです!
こちらこそありがとうございます😆
もう一つ聞きたいことがあるのですが。。。
留学希望大学の入学試験は受けられましたか?
本科生は受ける必要はないのでしょうか?
Kennyさん、色々用件が多くて申し訳ないのですが。。。これからまた何か質問があれば伺いたいので、インスタやツイッターなどのSNSはされていますか? 個人のブログなどはされていますか?